Flying Cat Penguin

ゆるゆる仕事、ソフトウェアテスティング関連のことについて綴ります。

「User Acceptance Testing - A step-by-step guide」(2013年)

ユーザー受入テスト(UAT)の書籍です。
ISTQBでもFoundation Level Acceptance Testingという試験レベルがあります。
イギリスのテストコミュニティが作成されているようで、ユースケーステストなどともちょっと違う概念なのかわからなったので手に取ってみました。
本書ではUATは下記のように定義されています。

書籍内の「UAT」の定義
ユーザーのニーズ、要件、およびビジネスプロセスに関する正式なテスト。システムが承認基準を満たしているかどうかを判断し、ユーザー、顧客、またはその他の承認されたエンティティがシステムを承認するかどうかを判断できるようにします。

ざっくりとした感想ですが、いわゆる要求分析・検証チームがテストするためのやり方を説明するというような内容でした。
ユースケースやユーザーストーリーを用いたテスト設計手法の詳細もあり、基本的にはISTQB等で紹介されているテスト手法の説明が大半でした。
違うのは、UAT特有の箇所(カテゴリ、テストベース)を冒頭の数章を使って説明しているところです。

UATのカテゴリ

  • 契約受入テスト
  • 工場/サイト受入テスト
  • アルファ/ベータテスト
  • フィールドテスト

UATのテストベース

  • ビジネス要求
  • ビジネスプロセス
  • ユーザの期待

システムに寄ったテストが中心の場合、ビジネス要求やビジネスプロセスはあまり考慮されないまま進むことがありますが、
本書は、元々のビジネス要求を分析したり、検証するチームとしてはどう進めていくべきかが一つずつ説明されています。

ただ…個人的にはすでに知っていることが大半の内容だったので、ユーザビリティエンジニアリングやその他のISTQBの書籍の方を読まれるほうが他の方も得るものが多い気がします。

参考
ACM Learning Center