「 Model-Based Testing Essentials - Guide to the ISTQB Certified Model-Based Tester」(2016年)
ISTQB モデルベースドテスト担当者の学習ガイドです。
モデルベースドテストのための基礎知識が体系的に紹介されています。
日本国内では、テスト設計コンテストも開かれているのですが、モデルを用いたテスト手法についてあまり議論されていないのはちょっと悲しい…ということで紹介しました。
もちろん、モデルを利用することでテストについての理解を共有できるののが大きなメリットなのですが、特に印象的だったこととして、下記の項目がありました。
[モデルベースドテストの注意点]
- MBTはすべての問題を解決しない
- モデルは常に正しくない
- テストケースの爆発が起こる
これは、現在モデルベースのテストツールを触っていて実感しているところです。特に、テスト目的に沿ってモデリングをしないと上記のように問題が発生しやすいです。
ただ、最近は少しずつ注意点をカバーするようなツールもできてきているようです。
例えば、三つ目のテストケース爆発に対して、この書籍には紹介がありませんが、AI技術を用いて経路を推測する機能が出ています。
そして、本書を活用するテスト担当者の役割としては、「テストアナリスト」と「テスト自動化エンジニア」が挙げられています。
モデリングのメインは、「テストアナリスト」で、モデル実行に関するスクリプト実装は「テスト自動化エンジニア」であると記載されています。
もちろん、モデル実行が手動の場合は、一般的な「テスト担当者」も該当しますが、自動化を想定する場合は、役割分担を念頭に置いてモデルの抽象度をコントロールする必要がありそうでした。
本書で挙げられているモデルベースドテストの背景、メリット、デメリットはテスト設計コンテストでも十分通用する内容だと思います。(ISTQBのシラバスでも見れるので是非…。)
気になった方は、是非見てみてください。
この書籍だったり、シラバスの内容をまとめて実務に活かせる形にしたいな…。
参考
ACM Learning Center